今回はスペシャルプロジェクト第2弾として、私たちが是非お話を伺ってみたいと思っていた先輩、2006年に明治学院大学文学部芸術学科を卒業した助宗佑美さんを7月13日の授業内にお招きした。学生時代の様々な経験や就職活動、そして現在働いている編集の仕事について多くのことを伺った。Twitterで宣伝したので、当日は普段授業を受講していない人も多く参加し、助宗さんの話に真剣に耳を傾けている人ばかりであった。普段こうやって自分の所属している学科を卒業した先輩の話を聞くことは珍しく、とても貴重な時間を過ごすことが出来た。私たちがお話を伺ってみたいと思った先輩をお招きした。当日のインタビューの様子はTwitterにてリアルタイムで伝えられた。
私たちが入学した時配られたパンフレットの記事
~助宗さんの大学生時代~
「明治学院は第一志望の大学ではなかったんですよ」
インタビュアーの「どうして明治学院大学の芸術学科に行こうと思ったんですか?」という問いに、「明治学院は最初は第一希望だったわけではないんですよ」と答える助宗さん。小さい頃から漫画や本を読むのが好きで、大学では芸術について学びたいと考えていたという。静岡に住んでいたということもあり、都内の大学で学ぶことに憧れ、首都圏の芸術を学べる大学を探した。第一志望の早稲田大学は落ちてしまったが、明治学院大学文学部芸術学科に見事合格し、一人暮らしを始めるようになる。地方の大学で学ぶよりも、美術館などが多くある都会の大学で学びたいという考えを持つ助宗さにとって明治学院大学の芸術学科はとてもいい環境だったのである。
「映像系列の四万田先生が印象的です」
在籍中は日本美術史を専攻していた助宗さん。特に山下祐二先生の教科書的ではない授業が好きだったという。芸術を学ぶにつれて自分のメンタリティと自分の好きなものとのつながりに興味をもち、4年次には山下ゼミに入り、多くのことを学んだ。そのゼミで気の合う仲間と出会うことができ、今でもそのゼミの仲間とは良い関係である、と笑顔で語ってくれた。ゼミの仲間は初めて「大学で心からクラスメイトと呼べる仲間ができた」と感じることができるほど一緒にいて心地よかったという。
助宗さんの話を聞いている人たちは全て芸術学科の3年生だったので、もうすぐ決めなくていけないゼミの進路についてのアドバイスを聞けて、メモを真剣にとっている姿が多く見られた。
助宗さんの特に印象に残っている芸術学科の先生を聞いたら、映像系列の四万田剛己先生の名前が挙がった。芸術学科に在籍している人ならこの先生の名前を知らない人はいないのではないだろうか。助宗さんは、四万田先生は他の大学の先生と違うところに魅力を感じたと言う。「他の先生と比べて、彼は生徒を怒る時、文化的な背景、理由をきちんともって指摘し注意する。」その言葉を聞いて、必ず一度怒られたことがある私たちは深く納得してしまった。
「『ハッピーマニア』を読む以前は、少女漫画とは素敵な王子様が運命的に現れて、自然とハッピーエンドを迎えるのが当たり前だと思っていました。けれど、この作品は女の子が自ら幸せを追い求めて行く姿がいい。見ていて元気が出てくる作品です」と、助宗さんは言う。
真剣にお話に耳を傾ける学生たち
「写真部、白金祭実行委員会、どちらも必要な場所でした」
大学生活中、助宗さんは写真部と白金祭実行委員会に所属されていた。写真部はもともとの趣味であった写真をもっと撮りたくて入部。適度に力を抜いた活動で、好きなことを自分の気の合う人とやって過ごすという、助宗さんにとって気の休まる場であった。一方、白金実行委員会は、知らないことや経験のないことばかり。とにかく忙しかったと言う。その上、当然気の合う友達ばかりの集団ではない。自分と全く違う意見や考え方を持った人と出会った。白金際を成功させた後の充実感や、仲間との結束力の強さを感じ、とてもやりがいのある委員会だと実感したらしい。写真部の居場所も白金実行委員会での居場所も、どちらも助宗さんが成長する上で必要不可欠な場所であったのだった。
「人には弱い部分もあると認めてあげることが大切」
インタビュアーの「明治学院に来て良かったことは何ですか」という問いに、助宗さんは記憶をたどりながら言葉をひとつひとつ探し、丁寧に語ってくれた。「今の職場で、全く理解できないと思うような人から、そういう考え方もあるのかと学ぶことがある」つまり、勉強に対しては中庸な明治学院だからこそ、いろいろな立場の人の気持ちを理解しようとする心が養われたのだ。第一希望ではなかった明治学院に入学して、正直に言うとコンプレックスを持っている学生が多くいると思う。しかし、助宗さんはそのコンプレックスを体験し、乗り越えたことから学ぶことが多かったと言う。「自分がコンプレックスを味わったからこそ、人間には誰しも弱い部分があるということを知っているはず。だから、もし周りの人が失敗してしまったり、出来ないことがあったりしたとしても一方的に責めない。私はそうやって人間関係は成り立っていると思う」
記事/渡邉芙美・越田香苗
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