2010年10月19日火曜日

BBC記者にインタビュー!

越田香苗

~BBC記者としての誇り~

BBCとはどのようなところなのだろうか。イギリスに本拠地を置き、国境を跨いでニュースを配信している。例え自国にとって不利な情報であろうとも、事実を尊重する。BBCに入社した者は、報道を実際に行う前に物事を公正で偏りなく見られるようにトレーニングを積むのだ。例として、時は世界第二次大戦。イギリスの敗北も偽りなく報道した。当然国民から反感を買う結果となったが、BBCの記者は皆、誇りを持って報道している。

~世界の中の日本~

「日本に来てみての印象はいかがですか?」私たちはニェさんに尋ねる。単純な質問に思えたが、実は一番意外な答えが返ってきた。――日本は綺麗です。日本国内しか知らない私にとって、東京はとても汚い。平気でゴミがポイ捨てされており、川の水は濁っている。しかし、ニェさん曰く“世界の国々と比べると日本は綺麗”らしい。素直に嬉しいような気もするが、世界はそんなに汚染されているのかと悲しさも混ざり、とても複雑な気持ちになった。
  
また取材で何カ国も旅しているニェさんは、自国と他国を比較して、自分と違う世界観があることを知るべきだ。そして、自分と違う考え方を尊重しなければならないと語ってくれた。

日本の印象について語るニェさん

~日本国民と中国国民のこれから~

私はニュースで見る限り、政府間同様、国民間も悲観的だと考えていた。しかし、国民間は楽観的だというニェさんの意見を聞き、ほっとした。日本の国民的スターであSMAPを知らないという返答には少し動揺したが、私は彼らのような人々が日中間の架け橋になるのではないかと考える。両国民が興味を持つ文化面を始めとして、日中関係は友好的になれるのではないか。

教科書問題について質問を受ける

私はニェさんから、教科書問題についてどう思うかなどの質問を受けた。教科書問題などで見るような、過去を隠したがっているのは、ほんの一部である。その一部が国のトップであることも問題なのだが、多くの日本国民は、戦争で自国が犯した罪と向き合っているということを、中国国民に伝えたい。現段階では、お互いの国のメディアが、相手の悪い面ばかり報道しているように思う。本当に私たち国民が感じていることが、相手国に伝わっていない。せっかく世界同時に情報を得ることが出来るところまでメディアは進化したのだ。もっとメディアを有効活用すれば、日中関係は良くなっていくことだろう。

インタビューの様子はtwitter中継された

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BBCインタビューメモ

*母国ではない国で働くことによって世界観は変わった?
絶対に変わる!
(例)世界地図の違い。つくった国が中心にくる。イギリスで中国が真ん中でないことに衝撃を受けた
それによって気がついたことは、それぞれの国や人が世界を見る目は違う!
それによって学んだこと①自分と違う世界観があることを知るべき②自分と違う考え方を尊重しなければならない!

*2カ国語話せるこのは有利?
有利。話せる言語が多ければ多いほど良い。
今は特に日本語を話せるようになりたい。なぜなら、日中間のニュースを日本語で読みたいから。

*日本に来てからの日本の印象は?
綺麗。きちんとしている。他国、特にロンドンと比べると凄く綺麗。

*日本の芸能人で有名なのは?
個人的に高倉健が好き。

*BBCのニュースはどういう視点から配信しているのか?
事実を尊重。BBCでは報道を実際に行う前に、物事を公正で偏りなく見られるようにトレーニングがある。
(例)第2次世界大戦において、イギリスが負けたときも事実に基づいて報道。反感は買ったが、誇りをもって報道。

*困ったことは?
中国は社会主義であり、民主主義の国との感覚の違い。
中国では国家主席は国民に選ばれた人ではないので、国民意見を代表できない。

*大変だったことは?
①2008年北京オリンピック前に起こったチベット暴動。なぜなら、中国メディアはこのニュースを一切報道しなかったので、リアルタイムで情報が入ってこなかった。
②写真説明のミス。主観的ミスではなかったが、リスナーの信頼度がさがった。大変なことは多多あるが、事件が起こったら、リアルタイムで歴史が動く瞬間を見ることができる!

*リスナーの反応は?
けなされたり、反対されたり、さまざま。リスナーの反応に出来るだけ応えることが仕事であり、リスナーとのコミュニケーションが大切。リスナーは神様。

*日中間はどうなると思うか?
①政府間=悲観的
両政府のリーダーが勇気とテクニック不足
②国民間=楽観的
善良な人は多くいる
「今日日本の若者に会って、更にそう思った」

*BBCのリスナーはどんな人?
世界各国の知識人、教育レベルが高い人。

*これからどんな記者に?
もちろん有名な記者になりたい。記者の仕事を全うしたい。そのうち落ち着いたら、記者人生をまとめた本を書きたい。

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