2011年1月18日火曜日

ロハスなう

神谷 龍・早川 裕亮・平野 嶺人

ロハス、近年その言葉がエコとともに横行し、なぜか、おしゃれな方面だったり、富裕層の間で、ロハスは特別視されている。ロハスには、今の日本国民が憧れるようなイメージがたくさん含まれている。海外セレブと呼ばれる種族が、自然と戯れ、環境を考えるツールに対して散財したり、ロハス関連のラジオが流れ、サーフィンに勤しむ人口はそれに耳を傾け、ロハスを盛り上げることに加担している。エコとの違いは一体何なのだろうか。なにがロハスをここまで浸透させたのか。なぜ、ロハスという言葉は魔法のような効力を持ち始めたのか。その起源や、商業的側面、そして魔法の秘密にこの記事で、少しでも迫れたら、と思う。
ロハス(LOHAS) とはLifestyles Of Health And Sustainability (健康と持続可能性のライフスタイル)の略であり、健康や環境問題に関心の高い人々のライフスタイルを営利活動に結びつけるために生み出されたマーケティング用語である。
1998年にアメリカで造語された言葉であり、日本では2004年頃からライフスタイルを表現する言葉の一つとして注目されたが、現在は定義が曖昧なバズワードの一つとして扱われている。しかし、定義の曖昧さを逆に利用し、エコロジカルなイメージを商品やビジネスに関連付けるために用いられることも多いようである。

次に、ロハスの概念を紹介してみようと思う。ロハスの一番大切な概念、それは、ただのエコではなく、こだわりを持ったエコライフである。エコとは、元来、過度な節約・再利用など、どこかで無理をするようなものであったが、ロハスは上記の通り健康ライフスタイルに関心のある人への営利活動へ結び付けるために生み出されたマーケティング用語である。しかし、この解釈はアメリカのものであり、日本でのロハスは健康と環境を考えるライフスタイルそのものであり、また、その生活に関わる商品も含まれるのである。ロハス意識を持った人はむしろ、エコ生活を豊かにするために消費し、そうして生まれたスタイルをロハスとし、自らを消費者の中のリーダーとして行動する人々の事である。

具体的な例として・・・ロハスへの目覚め→MY箸・エコバック・タンブラーなどの購入→無理なく節約できたお金で念願のエコカーライフスタート→エコカーに乗りオーガニック食材を使ったレストランに行ったり・オーガニック素材の服を着る→週末はオーガニック オイルでアロマセラピー❤  ナドナド
ロハスの広がり。ソトコト編集者のスティーブさんが仰っていた通り、アイドルと絡めたイベントで、そのアイドルのファンの方たちがロハスを知るようになるなど、イベントや様々な企画で広がっていくことが多いようである。特に、サーファーは海という自然と触れ合っているため、体を動かすことや自然に対する関心が高く、そこを中心に広まった例は少なくない。そしてサーファーはイモっぽいイメージというより、洗練されたイメージと捉えられるようなことが多いので、そのイメージからオシャレなイメージがロハスに付帯したと言っても過言ではない。そして海外セレブや重役が先頭に立ってMYタンブラーなどを使うことによって、影響を受けた一般市民がタンブラーを購入するなど、元来、言い方は悪いが、余裕のある層が考えた「地球にイイ事をする娯楽」、すなわちお金を使いスタイリッシュに、見た目からエコ活動に取り組む様子から広がったのである。これは、環境的だが、別の角度から見れば、とても大きなビジネスチャンスでもあったのだ。

日本では、現在、日々の運動としてランニングをしている人がおよそ1000万人もいると言われている。このランニングに際して、かっこいいウェアや、靴など、見た目を重視して、ランニングへのモチベーションを高めている人や対外意識の高い人が、この人工の中からは多く見受けられる。これによってランニングという、健康成果の高い運動を行い心身向上を図ることが出来るし、その状況をより豊かにするべく、グッズを買いそろえたりする行動から多大な経済効果も生まれる。今、我々に一番身近な、日本におけるこのランニングブームが、現在のロハスビジネス、ましてや、ロハスそのものの発展に先駆的な役割を果たしていると言っていいだろう。
ランニングブームの他にも、ロハスの一つとして経済に効果をもたらしているブームがある。私が趣味で登山をする時に、最近多く見かける『山ガール』のブームだ。山ガールとは、2009年ごろから流行り始めた、ファッショナブルなアウトドア用衣料(山スカートなど)を身に着けて山に登る若い女性のことである。その言葉は、2010年の流行語大賞の候補にも選ばれている。山男との大きな違いは、彼女らはミーハーであり、「みんなが可愛い格好をして山に登っている、楽しそうだから私もやってみたい、私も登ろう」という考えで山の知識もないのに山に登る部分だ。以前、山に知識のない山ガールの連中が、簡単な山で凍死しかける事件もあった。しかし、この山ガールブームの影響で、今まで山に全く興味のなかった人も、おしゃれをして山に登ることで、本当に山を好きになるきっかけを手にすることができるようになった。綺麗な景色や山の動物たちを見ることで、仕事の疲れを忘れ健康的になり、自然の素晴らしさや大切さにも気づくだろう。そして、経済的な面でも、登山用品の売り上げで大きく貢献している。これぞ、まさにロハスの典型的な例と言えるだろう。
このようにして、我が国日本もロハスの文化に慣れ親しみ始めた。不景気と言われ続けている昨今、健康向上のために必要なグッズの数々は、確実に需要が伸び、少なからず経済効果をもたらしてくれるはずである。このような現象は、経済効果という利点だけではなく、日本の街がニューヨークなど、ロハスの先進国のようなスタイリッシュな街へと変貌していくのではないかという期待さえ抱かしてくれる。日本古来の街並みがダメということでは決してなく、変化をもたらすという意味では非常に楽しみだということである。
スティーブさんら、ソトコト編集部の方々が、なぜロハスという言葉、スタイルに着目し、雑誌として全面的に取り上げ、推して行こうとしたのか。それは正直な話、なんとなくでしかつかみとれない。しかし、エコ、といって、環境問題にいきなり直面するよりも、いろんな素敵なイメージとともにエコに取り組めたほうが、より浸透しやすいであろう、ということを考えたというのは感じられた。人々のロハスという形を通して、環境を労わるグッズに対する消費、そして、自分は健康や自然に気遣いがあります、といったような、ことを全面にアピールすることで、悦に浸る気持ち。そんな気持ちをかっちり掴んだ、少し下世話な商業理念なんかもここには含まれているのではないのかなと。浸透しているようでそこまでだった、エコ、環境運動に新たな活気、彩りをもたせたこのロハスへの着目、そしてそれへのバックアップは、業界において多大な影響を与えたであろう。自分たちも、環境、エコ、ロハスに限らず、何事に向かうにしても針の穴を通すような着想をもったクリエイティブな気持ち、スタンスを自分に持ちたい。授業でのスティーブさんの話から生まれた、疑問、意見、それをもとにした記事作りを通して、いつのまにかそんなことまで我々の頭に芽生えていた。このような授業機会を与えてくれた先生、そして、スティーブ氏に感謝したい。

0 件のコメント:

コメントを投稿